ちいさき花巻頭

2019年07月園長コラム

暑い日が続く7月になりました。セミの鳴き声が聞こえるようになって、園庭のプールでも子どもたちが水遊びを楽しむ季節となりました。

最近、交通事故などで子どもたちの尊い命が失われたというニュースが続いています。幼稚園でもどのようにして子どもたちの安全を守ることができるかということが課題となっています。一方、今まで幼稚園で行っている園外保育などの活動は教育のために必要で、取り消すことはできません。それらをより安全に行うことが出来るように取り組んでいきます。

子どもたちの安全を考えることは、広い視野で子どもたちの未来を考えるきっかけになります。子どもたちの健康や無事は大切ですが、第一歩にすぎません。心を脅かす色々な危険が、子どもたちを取り囲んでいるのです。残念ながら今の日本で、学校の中や社会あるいは家庭内で居場所を見いだせない子どもが深刻な問題を起こしていることも事実です。多くの場合、幼児期ではなく成長してから生じますが、心の健康を保つためには幼いころからの教育が重要だと思います。つまり、もっとも大切なことは、人は誰でも唯一の存在であり、神様に愛されているということです。神様の愛を理解するために、それぞれの家庭の中で、また先生たちや友だちから受ける具体的な体験が大切になります。また心の健康を脅かすのは、外側の環境だけではなく、人が自分自身の中に持っている欲望や憎しみや色々な醜い心なのです。心が健康に育つために、人は自分自身を清めなければなりません。そのためにわがままを捨てたり、人を優しく受け入れたり、色々なものへの執着を乗り越えるための教育が幼いころから必要となるのです。このことはイエス様の教えの中で繰り返し言われています。“隣人を自分のように愛しなさい” それは、隣人のためだけではなく、自分自身のためです。「愛に満ちた心」こそ強い心であり、自分に降りかかる色々な困難や問題を乗り越える力を持っている心なのです。

園長 アルナルド・ネグリ